トレーサビリティ

特別栽培農産物とはアグリシステムの特別栽培農産物づくり
「特別栽培農産物のここが聞きたい!」コーナー

特別栽培農産物は、国が定めた取り決め(ガイドライン)に基づいて、使用農薬回数や化学肥料などの使用量の基準を守ってつくられた農産物であることを示す「しるし」。いわば、「安心・安全」を判断するひとつの基準となるものです。

特別栽培農産物とは

その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている化学合成農薬および化学肥料の使用状況)に比べて、化学合成農薬・化学肥料双方の使用量(回数)が50%以下で栽培される農産物。
※これまでのような「減農薬」や「無農薬」という表示は優良誤認を招くとして禁止され、表示できません。

アグリシステムの特別栽培農産物づくり

安心・安全・こだわりの農産物

私どもでは、フィルドマンが生産者に対して土づくりを始めとした、種まき前から収獲出荷までの様々な場面で特別栽培農産物の生産をサポートしています。初めて特別栽培に取り組む生産者にも蓄積したノウハウを提供し、リスクを抑えて栽培する技術の普及、環境保全型農業の実践を提案しています。
「安心安全な農産物をお届けしたい」という想いと、生産者のみなさんとのパートナーシップを大切に、今日も北海道の大地を駆け回っています。トータルサポートだからこそ、誰が、どこで、どのように、そしてどんな想いでつくった農産物なのかを、きちんと把握しお届けすることができるのです。

循環型社会を実現して、健康的な暮らしを

私どもは、「生きた土–健全な作物–人間の健康」という理念の下、地球環境の保全に取り組んでいます。農業現場で多く使われる化学肥料は石油資源を使って作られ、農薬も製造過程の化学合成に必要なエネルギーの消費量は莫大なものとなっています。

今現在、化学肥料を筆頭に生産現場ではコストアップが続き、多くの生産者が頭を抱えています。リン鉱石に代表される世界的な肥料資源枯渇によって、ゆくゆくは食糧同様、肥料原料の奪い合いが世界中で始まるとも言われます。「欲しくても高くて買えない」のではなく、「欲しくても無い」時代もすぐそこまで来ています。土づくりを基本に、主に有機質肥料を使用し農薬の使用量を減らす特別栽培は、環境を保全し、生産者の方の経営も安定させることが可能な技術として今後の農業生産現場でますますその意義が大きくなるはずです。

特別栽培(小豆)によるコストダウンの一例

特別栽培施肥・防除基準は
当社基準を採用
  慣行栽培施肥・防除基準は
昨年度履歴を参考
  各資材価格は
2008年6月現在を参考に決定
        10aコスト
    資材名 特別
栽培
慣行
栽培
特別
栽培
慣行
栽培
kg kg    
使用肥料 化学合成肥料 S662 40 80 ¥3,800 ¥7,600
有機質肥料 グアノリン酸 20 0 ¥2,000 ¥-
使用農薬 種子粉衣 粉衣用のマート ¥654 ¥654
除草剤 パワーガイザー液剤 ¥1003 ¥1003
殺虫剤 モスピランSL液剤 ¥400 ¥400
バイジット乳剤 ¥264 ¥264
  ¥- ¥264
殺菌剤 カンタスドライフロアブル ¥126 ¥126
フルピカフロアブル   ¥945 ¥-
ゲッター水和剤   ¥- ¥1332
スミレックス水和剤   ¥- ¥1109
          ¥9192 ¥12752

慣行栽培に比べ、10a当たり3560円のコストダウンに貢献!
さらに、特別栽培農産物であることで付加価値販売を実現し、経営安定
細かな栽培技術については、特別マニュアル




特別栽培の環境保全や今後の営農上の優位性が十分認められるものでありながら、残念なことにいまだ北海道の畑では、年々過剰に使われる肥料などによって土の中の養分があふれ出し、地下水の汚染が深刻です。また、農薬によって土を良くする土壌微生物が死滅してしまっています。これでは、健全な作物生産が出来ないばかりか、農業自体いつまで続けられるか分かりません。
人間の健康は、健全な作物生産から。そしてその健全な作物は生きた土からつくられます。特別栽培を始めとした各作物生産に良質な有機肥料使い、化学肥料に頼らない生きた土の力(地力)を畑に取り戻す持続可能な農業をご提案しています。

「特別栽培農産物のここが聞きたい!」コーナー

ここでは、特別栽培農産物に関してみなさんがお持ちになる様々な疑問にフィルドマンがお答えします。

Q1
薬や肥料を減らすと、管理や収量が足りなくて大変じゃないの?
A1
実は比較的冷涼な北海道では、病気や虫の発生が本州よりも少なく、もともと農薬・化学肥料の使用量自体は少ないのです。でも野球場のような広大な畑(本州の方は想像つきますでしょうか?)で、さらに農薬や肥料を減らして栽培していくには、長年の経験だけでなく、畑に生える草や虫、病気にも負けないよう人にも作物にも安全な農業資材を使ったり、機械での草取りを丁寧にするなどの工夫が必要になります。もちろんフィールドマンも、そのための蓄積したノウハウの提供や契約畑を巡回して異常をいち早く発見するなど、健全な作物生産を日々バックアップしています。
Q2
特別栽培農産物って価格がちょっと高いような気がするんだけど・・・
A2
昔に比べたくさんの特別栽培農産物が街のスーパーでも売られる様になりました。ただ、取扱量が増えたといっても、Q1でもお答えしたように、まだまだ特別栽培にかかる草取りや虫退治の手間は生産者の方にとって大変なものです。薬を減らすことで生産コストが減る一方で、草取りにかかる人件費が跳ね上がるなどの多くの問題もみられます。QRコードなどを利用したトレーサビリティを簡単に確認できるシステムも整ってきていますが、システムの運営経費もやはり流通コストとして負担が増える結果となっています。でも本当の安心・安全とは、このような事実に対して偽ることなく真面目に取り組み続けることではじめて生み出されるものなのではないでしょうか。
Q3
有機栽培農産物とはどう違うの?
A3
どちらも国が決めたガイドラインや法令でその基準が詳しく定められています。共通しているのは、農薬・化学肥料に頼らない栽培方法を実践するという点です。有機栽培農産物は原則として化学合成農薬、化学肥料の使用はされておらず、特別栽培農産物よりもさらに厳しい安心・安全の基準を満たしているといえます。ただ、大規模でいくつもの作物を毎年順番に同じ畑で作っていく「輪作」という栽培体系が基本にある北海道の畑作農業では、全ての作物について無農薬・無化学肥料で栽培を続けていくには大変難しいのが現状であり、今後の課題です。そこで、特別栽培という環境への負荷の少ない栽培方法を広めていくことが、1つのステップであると考えています。