土づくり

1. 土の役割2. 土の構造・団粒構造3. 農業生産にとっての「土」 4. 微生物の機能
5. 理想の土づくり土づくりの具体的な方法

土づくりの具体的な方法

小麦残渣は鋤き込まず表層土(15㎝)で土中発酵させ土づくりと減肥!

1. 小麦残渣が悪影響を及ぼしています。

小麦を収穫後の畑には、茎葉と根をあわせ1〜2トン/10aの有機物が残り、C/N比は60〜70と
高く分解しにくいものです。また、収穫直前まで殺菌剤を使用しており、さらに分解しづらくな
っています。
プラウ耕をすると嫌気状態になり分解が遅れ、翌年になって腐敗し、アンモニアガスを出して根
腐れの原因になります。また、アンモニアガスはpHが高く馬鈴薯そうか病の原因にもなります。

2. 小麦残渣を土中発酵させ土づくり。

微生物の働きで麦稈を表層土で発酵させると、堆肥の代わりとなり土を団粒化し、土壌病害を
抑制します。
土壌が肥沃になり翌年の肥料を減肥できます。

3. 実践方法

小麦収穫後チョッパーをかけ粗大有機物を細かく砕きます。
エバーアミノを10a当り50kg、ブロードキャスターなどで散布します。
ただちにディスクハロー、パワーハローをかけ荒く表層土と麦稈・エバーアミノを混ぜます。
そのまま2週間以上放置します。
微生物が麦稈を分解し土壌の団粒化が進むので、土が肥沃になります。

ビート後不耕起で土づくりと減肥・病害抑制!

1. ビートトップが原因となる異常生育と品質低下が起こっています

ビートトップは窒素4〜8kg/10a、カリ18〜25kg/10aの肥料分を含んでいます。
ビート後で秋起こしをすると茎葉の分解が遅れ、肥料分が翌年の夏以降に効いてしまいます。
翌年の作物が窒素過多の軟弱徒長になり病害虫に弱くなります。
作物の生育ステージを狂わせ、品質を低下させます。
プラウ耕によって耕盤層が形成され、表層と下層の水分の行き来がなくなるので湿害・旱魃の
被害が出やすくなり、さらに春は雪解け水が貯まるので地温が上がりにくくなります。
過剰な硝酸態窒素が地下水を汚染します。

2. ビート後のプラウ耕をやめ、分解を早め減肥をすることができます。

秋のプラウ耕をやめて微生物の力で表層分解させると、肥料分を早く効かせることができます。
施肥量を大幅に減らすことができ、健全生育となり品質も上がります。
サブソイラを併用することによって、耕盤層がなくなり土の団粒化が進みます。

3. 実践方法

秋起こしをしない、作業が大幅に軽減できます。
エバーアミノを10a当り50kg、ブロードキャスターなどで散布する。
ただちにディスクハロー、パワーハローをかけ荒く表層土とビートトップ・エバーアミノを
混ぜます。
冬の間にビートトップは分解され、土の団粒化・肥料分の有効化が進みます。
春はサブソイラやチゼルを時速2〜3kmでゆっくりかけ耕盤層に亀裂を入れるようにします。

緑肥利用で土壌病害を抑制し、畑に貯まったリン酸を利用できます。

1. 線虫の増加から化成肥料の使用量が増えています。

豆類・馬鈴薯・小麦・ニンジンなどの共通の土壌病害「キタネグサレセンチュウ」の密度が増加
しています。
小豆・菜豆で20%の減収が起こっており、または多肥によって減収を補っています。

2. 土壌中の不溶性のリン酸が貯まっています。

リン酸吸収係数の高い十勝の黒ボク土ではリン酸肥料の多投により、土壌に数十年分のリン酸が
貯まっています。
リン酸肥料の枯渇と高騰により、これまでの様な多投は継続できなくなります。

3. ヘイオーツの利用によって線虫密度低下させることができます。

キタネグサレセンチュウの非寄主作物であるヘイオーツを栽培することによってセンチュウ
密度を減らし被害を軽減できます。

4. ひまわりの利用によってVA菌根菌を増やし、土壌中の不溶性リン酸を利用できます。

VA菌根菌は作物の根に共生し、植物が利用できないリン酸を溶かし作物に供給します。
ひまわりは土壌中のVA菌根菌の大幅に増殖させて土中リン酸を利用できるため、翌年のリン酸
施肥量を大幅に減らすことができます。

5. 小麦後作緑肥としてヘイオーツとひまわりを混植します。

微生物資材を加えた堆肥で土づくりと肥料の節減が可能です。

1. 腐敗した堆肥施用が悪影響を及ぼしています。

畜産の大規模化・敷料の高騰などで堆肥中の敷料の割合が減少し、非常に水分の高い堆肥になっ
ているため、品質が低下しています。
肉牛農家では堆肥を乾燥させ、敷料として再利用しているところも増え、排泄物の割合が高まり
発酵しにくく、悪臭が発生しています。
未熟で腐敗した堆肥を畑に入れることは、土中で腐敗分解をおこし、作物へのガス害や病害虫の
蔓延、腐敗型の微生物を増加させてしまいます。

2. 微生物資材と麦稈・豆殻などを加えて堆肥を発酵分解させます。

牛に複合微生物資材アースジェネターを給餌します
または堆肥に1t当り30kgのエバーアミノを均等に混ぜます。
分解前の堆肥は水分55〜60%、C/N比20〜40が最適です。麦稈・豆殻などを混ぜて調整するこ
とができます。
目安は手で強く握ると指の間から水がにじみ出る、塊にはなるが簡単に崩れる状態で、手のひら
にはべとつきは残りません。
適度な水分と酸素とC/N比で微生物の活動が活性化され、急速に分解が進みます。温度の上がり
すぎに注意して、切り返しを2回ほど行います。

3. 発酵堆肥で土中発酵・土づくりと減肥ができます。

堆肥中の有機物が発酵し微生物を高密度に含んでいるため、作物の生育に悪影響を与えず、肥料
効果も安定して期待できます。堆肥1t当り窒素1kg、カリ4kgの減肥が可能。
前述した麦稈分解やビートトップの処理時にエバーアミノの代わりに施用することができ、経費
を削減することができます。

貝化石の施用によって馬鈴薯そうか病を軽減でき食味も向上させます。

1. 馬鈴薯のカルシウム不足による悪影響が出ています。

そうか病はpHが高いと発生しやすいため、馬鈴薯への炭カルなどの施用はほとんど行われてい
ないためカルシウム不足になっています。
カルシウムは細胞壁・細胞膜の成分であり、不足すると芋の表面も弱くなり、そうか病菌が簡単
に侵入してしまいます。
カルシウムが不足するとマグネシウム・カリの吸収も悪くなり、窒素過多の軟弱徒長の生育で、
病害虫に弱くなり、ライマン価も上がりません。

2. 貝化石によって微生物が増殖し、土が団粒化します。

貝化石にバランスよく含まれるミネラルが生育を健全にし、微生物の繁殖を活発にします。
貝化石は多孔質構造で有用な放線菌・細菌の住処となり、その繁殖を促し、土壌の団粒化も
進めます。

3. 貝化石の施用で馬鈴薯そうか病を軽減し、ライマン価も上がります。

10a当り60kgの貝化石を作条に施用します。
土壌微生物の種類・量が増え、微生物同士の拮抗作用により、そうか病の多発を抑えることが
できます。
馬鈴薯のカルシウム吸収がよくなり、細胞が硬くなり病害虫に強くなります。
作物が健全生育となり窒素過多の生育が抑えられるため、ライマン価が正常に上昇します。

注)馬鈴薯そうか病の根本的な対策は、継続的な土づくりしかありません。

馬鈴薯そうか病は現在の土壌状態を象徴している病気で、土の団粒化が壊れている・微生物叢が
単純化している・多肥栽培をしている・輪作が崩れている圃場で被害が多発します。
そうか病密度や土壌の状態・天候によっては、基肥で貝化石を施用するだけではの十分な効果が
出ない場合があります。
そうか病の根本的な対策は土づくりです。未熟有機物の適正処理・化成肥料や農薬の低減・貝化
石の定期的な施用・緑肥の導入などにより、微生物層の改善・土の団粒化の促進をはからなけれ
ば根絶することはできません。

エバーアミノ

土壌中の微生物を活性化し、土をやわらかくします。

米ぬか、豆屑、魚粕、鶏糞などを原料にアースジェネターで発酵させたぼかし肥です。多くの有
用微生物を含んでいます。
種菌と使用しているアースジェネターは好気性菌・嫌気性菌を含む複合微生物で、強力な有機物
分解能力があります。

アミノ酸態窒素の供給で冷害に強く作物の生育を助けます。

各種アミノ酸を多く含んでおり、直接作物に吸収させ
ることによって天候不順時にも生育を進め、病害虫に
強い生育になります。
根粒菌などの活動を邪魔しないため、土壌の力を引き
出すことができます。形状は散布しやすいペレットタ
イプです。
 

微生物活性試験

試験
方法
95種類の炭素サンプルをセットした試料にエバーアミノと他社製ぼかしの抽出液をか
け、2日間放置します。炭素の分解が進むと試料は紫色に変色します。
結果 写真は2日後の試料の様子です。エバーアミノ抽出液をかけた方は、ほとんどのサンプ
ルが変色しており、あらゆる炭素を分解する能力があることがわかります。
エバーアミノの有機物分解能力が優れていることを証明して

使用

使用方法 適用 10a使用量(kg)
豆類の追肥 増収 全層30〜45kg施用してカルチ・培土などで混和
馬鈴薯の基肥 土壌病害予防・
軽減
45〜60kgを作条に施用。培土前に全層散布でも可
長芋基肥・追肥 増収 30〜40kgを数回に分けて散布
作物全般 残渣の分解促進・
土づくり
全層50kg施用。ディスクハローなどで表層土と混和

ミネマジック(貝化石)

作物が吸収しやすい水溶性カルシウムとミネラルをバランスよく含んでいます。

一般的な炭酸カルシウムよりも5倍以上溶けやすい霰
石(アラゴナイト)を含んでおり、作物に即効性で効果
があります。
ミネラルの吸収により作物の生育が健全になり病害虫
に強く、食味が向上します。
 

土壌微生物を増殖させます。

ミネラル分は微生物の餌となり活動を活発化させます。
貝化石は表面に0.1μmほどの小さな孔隙がおおい多孔質構造をしており、有益な放線菌や細菌
の住処となり、土壌微生物の繁殖を増進させます。

土壌の団粒化を促進させます。

土の団粒化を促進し通気性・保水性・排水性が改善され、作物の根張りがよくなり健全生
育で食味の向上・増収が期待できます。

そうか病抑制試験

平成18年試験 ミネマジックのそうか病抑制および増収効果


試験方法

品種 メークイン
場所 芽室(乾性火山性土)
区・反復 40株・2反復
 

施肥(すべて作条)

基肥共通 配合肥料にて N:P:K=
4.4:20:12(kg/10a)
ミネマジック ミネマジック(60kg/10a)
ミネ+ぼかし ミネマジック(60kg/10a)+
ぼかしWA(30kg/10a)
対象区 配合肥料のみ

使用例

使用方法 適用 10a使用量(kg)
馬鈴薯の基肥 土壌病害予防・軽減 作条に10a当たり45〜60kg施用
ビートの基肥 増収・糖度上昇 全層100kg又は作条40kg
小麦の基肥 倒伏予防・増収 全層100kg施用
豆類の基肥 増収 作条に10a当たり20〜40kg施用
野菜類 軟腐病の予防・軽減 全層100kg又は作条40kg
作物全般 微生物増殖・土づくり 収穫後に全層100kg施用
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